犬が草を食べるのはなぜ?理由と注意点

散歩中、愛犬が道端の草をむしゃむしゃ食べ始めて驚いたことはありませんか。
「お腹の調子が悪いのかな」
「草を食べても大丈夫?」
「やめさせたほうがいいの?」
と不安になる飼い主さんも多いと思います。
犬が草を食べる理由はひとつではありません。好奇心や草の食感を楽しんでいることもあれば、空腹や胃の不快感などが関係している場合もあります。
草を食べる行動そのものは珍しくありませんが、散歩中の雑草には農薬や除草剤、排泄物、有毒植物などのリスクもあるため、「犬が食べたがるから大丈夫」とは限りません。
この記事では、犬が草を食べる主な理由、草を食べたあとに吐く場合の考え方、やめさせたほうがいいケース、食事や散歩で見直したいポイントを紹介します。

犬が草を食べるのはよくあること?
散歩中や庭で草を食べる犬は珍しくありません。
元気で健康な犬でも草を口にすることがあるため、「犬が草を食べる=病気」ではありません。
とくに若くやわらかい草を選んで食べたり、散歩の途中で少しだけかじったりする場合は、単純に草のにおいや食感を楽しんでいることもあります。
ただし、草を食べること自体が必ず安全というわけでもありません。
大切なのは、
- どのくらいの頻度で食べているか
- 一度にどのくらい食べるか
- 最近急に増えていないか
- 草を食べたあとに吐いていないか
- 食欲や元気、便の状態に変化がないか
といった点を合わせて見ることです。
少量をたまに食べる程度で、いつも通り元気に過ごしているのであれば、過度に心配する必要がない場合もあります。
また、ごはんの前に興奮しやすい犬は、落ち着かないまま食事を始め、その勢いで完食してしまうこともあります。
犬が草を食べる主な理由
では、犬はなぜ草を食べるのでしょうか。
ひとつの理由だけで説明できるわけではなく、その犬の性格や生活環境、食事、体調などによって異なります。
① 草の食感やにおいが好き
犬のなかには、草そのものが好きな子もいます。
とくに新しく生えた若い草や、やわらかい葉を好んで選ぶ犬もいます。
散歩中にはさまざまなにおいや感触に出会うため、草をかじることも、においを嗅いだり地面を探索したりするのと同じように、好奇心から行っている可能性があります。
毎回同じ場所の草だけを少量食べたがる場合などは、単純にその草の食感やにおいを気に入っているのかもしれません。
② 退屈やストレスを紛らわせている
草を食べる行動に、退屈やストレスが関係している場合もあります。
たとえば、
- 留守番の時間が長い
- 運動量が足りていない
- 散歩が短い
- 毎日同じ散歩コースを歩いている
- においを嗅ぐ時間がほとんどない
といった生活が続いている場合です。
犬にとって散歩は、単に歩いて運動するだけの時間ではありません。
においを嗅いだり、周囲を観察したりすることも大切な刺激になります。
草を口にすることが暇つぶしのようになっているのであれば、散歩中に自由ににおいを嗅ぐ時間を作ったり、家で遊ぶ時間を増やしたりすることも考えてみましょう。
③ 空腹を感じている
空腹時に草を食べる犬もいます。
たとえば、朝食から夕食までの時間が長い犬や、食事量がその犬の活動量に合っていない場合です。
特定の時間帯になると草を食べる、食事の直前の散歩で草に向かいやすいといった傾向があるのであれば、空腹が関係している可能性も考えられます。
ただし、「草を食べるから食事量が足りない」とは限りません。
体重や体型、運動量、おやつを含めた1日の摂取量を確認しながら判断することが大切です。
④ 胃がむかむかしている
胃の不快感があるときに草を食べる犬もいると考えられています。
そのため、「犬は吐くために草を食べる」と聞いたことがある人もいるかもしれません。
実際に、草を食べたあとに吐く犬はいます。
一方で、草を食べてもまったく吐かない犬も多く、すべての犬が吐くことを目的として草を食べているわけではありません。
胃の不調が先にあって草を食べていることもあれば、食べた草が胃を刺激したことで吐いていることも考えられます。
普段から草を食べたあとによく吐く場合は、「いつものこと」と決めつけず、食事内容や体調も確認してみましょう。
⑤ 食事バランスや食物繊維が気になっている
草を食べる理由のひとつとして、食物繊維との関係が考えられることもあります。
ただし、草を食べたからといって、すぐに「食物繊維が不足している」と判断することはできません。
自己判断で野菜やサプリメントを大量に追加すると、かえって便がゆるくなったり、食事全体の栄養バランスが崩れたりすることもあります。
まずは、
- 便が硬すぎないか
- 軟便が続いていないか
- 食事内容が偏っていないか
- フードを頻繁に変更していないか
など、毎日の食事と排便の状態を確認してみましょう。

草を食べたあとに吐くのは大丈夫?
犬が草を食べたあと、そのまま吐いてしまうことがあります。
1回だけ吐いたものの、その後は普段通り元気で、食欲や便にも問題がないのであれば、少し様子を見ることができる場合もあります。
草そのものが胃を刺激し、吐いてしまうこともあるためです。
ただし、
- 短時間に何度も吐く
- 水を飲んでも吐く
- 吐いたあとにぐったりしている
- 食欲が戻らない
- 下痢もしている
- お腹を痛そうにしている
といった場合は注意が必要です。
嘔吐の原因は草だけとは限りません。
胃腸の不調や感染症、誤食した異物など、別の原因が隠れている可能性もあります。
「草を食べたから吐いただけ」と決めつけず、その後の体調まで確認しましょう。
草を食べさせないほうがいいケース
犬が草を食べること自体は珍しくありませんが、散歩中の雑草にはさまざまなリスクがあります。
とくに、何が付着しているかわからない場所の草は、できるだけ食べさせないほうが安心です。
注意したいのは、次のような場所です。
- 除草剤や農薬が使われている可能性がある場所
- 公園や道端など、動物の排泄物が付着している可能性がある場所
- 車通りが多く、汚れが付きやすい場所
- 有毒植物が混ざっている可能性がある場所
- 管理状況がわからない空き地や草むら
見た目だけで安全な草かどうかを判断することは難しいため、「この草なら大丈夫」と安易に食べさせないことが大切です。
また、草そのものの安全性だけではなく、犬の食べ方にも注意しましょう。
これまで少ししか食べなかった犬が急に大量の草を食べるようになった場合や、草を食べる回数が急に増えた場合は、体調や生活環境に変化がないか確認してみてください。

散歩中に草を食べるのをやめさせるには?
散歩のたびに草を食べてしまう場合は、叱って無理にやめさせるよりも、草へ向かいにくい環境を作ることから始めましょう。
まずは草むらの近くではリードを少し短めに持ち、犬が草を食べ始める前に声をかけて方向を変えます。
草に顔を近づけた瞬間に強くリードを引っ張るのではなく、おやつや声かけなどで飼い主さんへ意識を向ける方法もあります。
口に入れた草を無理に引っ張り出そうとすると、慌てて飲み込んだり、口の中を傷つけたりする可能性もあります。
草を食べることが習慣になっている場合は、
- 草が多い道を避ける
- 散歩コースを変える
- 草むらから少し距離を取る
- におい嗅ぎの時間を作る
- 散歩中に簡単な遊びを取り入れる
といった工夫もしてみましょう。
退屈から草を食べている犬であれば、「草を食べないようにする」だけではなく、代わりに楽しめることを増やしてあげることも大切です。
食事で見直したいポイント
犬が草をよく食べるようになったときは、散歩中の行動だけではなく、毎日の食事も一度見直してみましょう。
まず確認したいのが、食事量です。
年齢や体重だけではなく、運動量や体型によって必要な食事量は変わります。
最近体重が減っている、以前より運動量が増えた、いつも空腹そうにしているといった場合は、現在の食事量が合っているか確認してみましょう。
また、食事と食事の間隔が長すぎないかもポイントです。
空腹時間が長くなることで胃が不快になりやすい犬では、1日の総量を変えずに食事回数を調整する方法が合う場合もあります。
そして、毎日の便も重要なチェックポイントです。
便が硬い、軟便が続いている、排便回数が変わったなどの変化は、食事を見直すきっかけになります。
食物繊維を含む食材を取り入れる場合も、急に大量に与えるのではなく、少量から様子を見るようにしましょう。
また、
- 急にフードを変更した
- おやつが増えた
- 人の食べ物を与える機会が増えた
といった変化がなかったかも確認してみてください。
胃腸が敏感な犬の場合は、脂質や食材の種類だけではなく、消化しやすさにも目を向けてごはんを選ぶことが大切です。
Ishcaには、鹿肉をベースに食材を組み合わせた「胃腸ケアタイプ」のフードもあります。
いつものごはんをすべて変更する必要はありません。普段のフードを基本にしながら、その日の体調や食欲に合わせて少量プラスするなど、愛犬に無理のない形で食事を整えていきましょう。
草を食べることだけを止めようとするのではなく、「なぜ最近草を食べたがるのだろう?」と食事や便、生活全体を見ることが大切ですね。

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▼ この記事を書いた人 ▼

ハミルトン葉奈(株式会社Enuncia 代表取締役)
無添加ドッグフードブランド Ishca オーナー。
愛犬の健康を第一に考え、安心・安全なフード作りに取り組んでいます。幼少期から犬と共に暮らし、ペット栄養学やフードの開発・品質管理について学んできました。「食は命」という理念のもと、Ishcaを通じて多くの飼い主の方に正しい情報を届け、愛犬との豊かな暮らしをサポートしてまいります。

