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犬に生肉を与えても大丈夫?鹿肉とローフードのメリット・注意点を解説


愛犬の健康を大切に考えている飼い主の方から、最近このような質問をいただくことがあります。

「犬に生肉を与えても大丈夫でしょうか?」
「ネットでは冷凍の生肉フードも見かけますが…」

犬の祖先はオオカミだから、生肉が本来の食事なのかもしれない。
そう考えるのは、とても自然なことかもしれません。

今回は、愛犬に生肉を与えてもよいのかという疑問にお答えしながら、犬の祖先の食事や、鹿肉のような野生の食材についても少し触れてみたいと思います。

犬の祖先から考える「本来の食事」

私たちと暮らす犬の祖先をたどると、野生で生きていたオオカミに行き着きます。

オオカミは鹿や小動物などを狩り、その肉や内臓を食べて生きてきました。
いわば、自然の中で得た獲物をそのまま食べる生活です。

現代の犬は長い年月をかけて人と暮らすようになり、穀物なども消化できるようになったと言われています。
そのため、犬は純粋な肉食動物というより、肉も植物も利用できる雑食に近い動物と考えられています。

それでも、鋭い歯や強い酸性の胃液など、体の仕組みには肉を消化する能力が色濃く残っています。

こうした犬の食性を背景に、近年注目されている食材の一つが「鹿肉」です。

鹿肉は高タンパクで脂肪が少なく、鉄分などのミネラルも豊富な食材です。
野生動物の肉ならではの栄養特性を持ち、犬の祖先が自然の中で食べていた食事を考えるうえでも興味深い食材といえます。

鹿肉という食材は、犬の「本来の食事」を考えるヒントを与えてくれる存在なのです。

生肉という選択肢

近年では、犬用の「冷凍生肉フード」を販売するブランドも増えてきました。
いわゆるローフードと呼ばれる食事法です。

ローフードとは、食材を加熱せず、生の状態の肉や内臓、野菜などを与える食事法のことを指します。
加熱を行わないことで、食材の栄養をできるだけ自然な形で取り入れるという考え方に基づいています。
また、生肉は本来の香りや食感が残っているため、食いつきが良いと感じる方も少なくありません。

ローフードを支持する方の中には、

・加熱による栄養素の変化をできるだけ避けたい
・自然な食事に近い形で与えたい
・嗜好性が高く、食欲が落ちている犬でも食べやすい

といった理由から、生肉を選ぶ方もいます。

一方で、生肉を与える場合には慎重に考えるべき点もあります。

野生の肉には寄生虫や細菌が含まれている可能性があります。
また、栄養バランスを長期的に整えることも簡単ではありません。

市販の冷凍生肉ブランドの多くは、こうしたリスクを減らすために急速冷凍や衛生管理、菌検査などの工夫を行っていると思いますが、もし愛犬に生肉を与えるのであれば、取り扱いや衛生管理には特に注意が必要になります。

Ishcaが加熱調理を選んでいる理由

Ishcaの鹿肉は、人間の食肉処理施設で、衛生的な環境のもと処理されています。
そして、その鹿肉を加熱調理したフードとしてお届けしています。

適切な加熱を行うことで、寄生虫や細菌のリスクを抑えながら、鹿肉の栄養を安心して取り入れることができます。

Ishcaのフードはレトルト加工を行っており、高温高圧でしっかり加熱殺菌することで、細菌や微生物の増殖リスクを抑えています。
これにより保存料などを使わなくても、衛生的な状態を保ちながら食材のおいしさや栄養を安心してお届けすることができます。

また、解凍や衛生管理を気にすることなく、毎日の食事として続けやすいという点も大きな理由です。

そして、私自身は愛犬のソフィに生肉を与えたことは一度もありません。

というのも、鹿肉を扱う猟師さんから解体や衛生管理についてさまざまなお話を聞く中で、「本当に安全に生で食べられる肉」というのは、想像以上に厳しい条件のもとで管理されている必要があると教えていただいたからです。

私の信頼している猟師さんも、「よほど徹底した環境で処理された肉でなければ、生食はおすすめしない」とおっしゃっていました。

もちろん、生肉には生肉の良さがあると思います。
栄養や嗜好性の面で魅力を感じる方がいるのも自然なことです。

ただ、できるかぎりリスクを抑えた上で、鹿肉という自然の恵みを、できるだけ安全で扱いやすい形で届けたい。
それがIshcaのフードづくりの考え方です。

生肉を与える場合の注意点

もちろん、生肉を与えること自体を否定するつもりはありません。
ただし、安全に与えるためにはいくつか気をつけたいポイントがあります。

・肉の処理環境と鮮度
野生動物の肉は、捕獲後の処理方法や温度管理によって衛生状態が大きく変わります。
信頼できる施設で適切に処理された肉であるかどうかは、とても重要です。
処理環境や流通の過程がきちんと開示されているブランドを選ぶことをおすすめします。

・寄生虫や細菌のリスク
特に野生動物の肉は、家畜とは異なる寄生虫や細菌のリスクを持つ場合があります。
捕獲後の処理状況や保存状態によっても衛生状態は大きく変わるため、肉の管理には十分な注意が必要です。
また、生肉は解凍方法や保存温度、与える量などによっても安全性が左右されるため、取り扱いには慎重さが求められます。

・家庭で扱う際の衛生管理
生肉を家庭で扱う場合は、衛生面の配慮も大切になります。
調理器具やまな板、包丁などは使用後にしっかり洗浄し、手指も丁寧に洗うなど、キッチンでの基本的な衛生管理を心がけることが重要です。
特に小さなお子さんや高齢の方がいる家庭では、より注意が必要です。

こうした点を理解したうえで、信頼できる肉を選び、適切に扱うことが大切だと思います。

「野生に近い食事」をどう取り入れるか

犬の祖先が食べていた食事を考えると、肉という食材の大切さが見えてきます。

ただし、野生と同じ環境で暮らしているわけではない現代の犬にとっては、安全性や栄養バランスも同じように大切です。

生肉を与えるという方法もあれば、鹿肉のような野生の栄養を持つ食材を、安心できる形で日々の食事に取り入れる方法もあります。

大切なのは、愛犬の体調や生活環境に合わせて、無理のない選択をすることです。

鹿肉という食材が、愛犬との食事を少し豊かにするきっかけになればうれしく思います。

▼ この記事を書いた人 ▼

ハミルトン葉奈(株式会社Enuncia 代表取締役)
無添加ドッグフードブランド Ishca オーナー。
愛犬の健康を第一に考え、安心・安全なフード作りに取り組んでいます。幼少期から犬と共に暮らし、ペット栄養学やフードの開発・品質管理について学んできました。「食は命」という理念のもと、Ishcaを通じて多くの飼い主の方に正しい情報を届け、愛犬との豊かな暮らしをサポートしてまいります。


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